パソラボ イヌ ネコ 小動物 病理検査
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パソラボのこだわり 〜その1〜 その1 その2

診断能力の向上に向けた努力は当たり前のこととして、診断医が組織を観察する以前の段階にいくつもの落とし穴があることをご紹介いたします。「当然されているであろうこと」でも残念ながら結構当たり前に行われていないのが世の中の現状です。なぜならそれは動物病院の先生には目に止まらないこと、手間のかかることだからでしょう。パソラボはそんな当たり前にこだわっています。

登録作業

動物病院から依頼された検体が到着すると、まずは開封・登録作業を行います。大きな容器の他にマイクロチューブなどが分かり難い状態入っていること、依頼書に記載されている組織が入っていない(もしくは記載されていない組織が入っている)など、毎日のようにあります。そのため、慎重を期して開封作業を行います。紙などのクッション類はすべて広げ、小さな容器などが隠れていないかチェックします。容器数・依頼書数、送付方法など細かくチェックされます。通常ありませんが、万が一の見落としで容器などが捨てられた場合のことを考え、登録時のゴミは5〜8日間保存されます。切り出し作業時に出たゴミも同様です。
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切り出し

適当に何カ所か、正常部と病変部の境界部など型にはまった方法をとっているのが一般的です。

切り出し部位

弊社では1つの腫瘤でも多数の断面で観察し、より悪そうな部位をピックアップし標本を作製します。それを行うには肉眼観察、顕微鏡観察の繰り返しトレーニングが必要になります。大まかな判断ができるようになるまで、病理医の指導の下で最低でも 5,000症例くらいの経験は必要になります。

標本作製数

標本作製数を決定する要素は3つあります。

(1) 診断名を確定するため
(2) 悪性度を確定するため
(3) マージン評価のため

(1)の例として脾血腫が挙げられます。10cmの脾血腫から2〜3枚程度の標本を作製し、脾血腫の診断が下されたとしてどれほどの信頼性があるでしょうか?2〜3枚というのは血腫によって隠されているかもしれない小さな腫瘍(等)を見つけるにはあまりに少ない数といえます。肉眼所見や危険性のリスクによって作製数を大幅に増やすことが必要なのです。

(2)の例として乳腺腫瘍が挙げられます。1つの腫瘍の中でも部位により悪性度が異なることは一般的なことです。5cmの乳腺腫瘍で切り出し部位が1カ所・・・それでは怖くて診断できません。動物病院で一部を切り出して送付されることも同様のことですのでお勧めできません。

(3)の例として例えば基底細胞腫(毛包芽細胞腫)のような境界明瞭な腫瘍であれば、マージン標本は1枚でもよいかもしれません。しかし肥満細胞腫であったり、ワクチン誘発性肉腫などの境界不明瞭な腫瘍では、腫瘍本体の標本数より、マージン評価用の組織の方が多いということはよくあります。前後左右の4方向のマージン組織を作製するといった型にはまった採材ではなく、割面をよく観察し、よりマージンが危険な部位に採材の重点をおくことが必要です。

パソラボのこだわり〜その2〜

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