(1)診断室
獣医師が顕微鏡標本を観察し、報告書や解説書を作成する部屋です。診断医は一日の大半をこの部屋で過ごします
(2)標本作製室
パラフィンブロックをミクロトームで4/1000mmの薄さに切ります。ミクロトームが4台設置されており、通常は2〜3台が同時に稼働しています。受付翌日には標本を完成させるため、依頼検体数が多い日にはフル稼働します。
(3)包埋センター
薬液処理した組織をパラフィンに埋めて固めます。1〜2名で行う作業です。出来たパラフィンブロックはミクロトームで薄切されます。
(4)免疫染色・特殊染色装置
数十種類の一次抗体や特殊染色を備えています。HE染色標本(ルーチンに観察する標本)で腫瘍細胞の由来が特定できない場合、特定の物質・病原体を検索するときなどに活躍する装置です。同時に40枚の組織標本が染色可能です。
(5)免疫染色・ISH装置
ほとんどすべての作業が自動化された装置です。洗濯機の二槽式と全自動くらいの違いがあります。切片を乾かすことさえせずに装置にセットし、後は染色終了まで放っておくだけです。同時に20枚の組織標本が染色できます。
(6)電子顕微鏡コーナー
奥から自動ウルトラミクロトーム、電顕用プロセッサー、ナイフメーカーです。ダイヤモンドナイフを使って100nm(1nmは1/1000000mm)以下の標本を作製します。
(7)機械室
機械室外観
扉の向こうの部屋が機械室です。標本作製過程で有機溶媒を使用しているため24時間換気され、他の部屋とは隔てられています。機械室外観
機械室内
右から自動染色装置、自動封入装置、組織用のオートプロセッサーです。標本作製の行程で可能なものは自動化し、効率よくムラのない組織標本が作製されます。
(8)切り出し室
切り出しは同時に3人の獣医師によって行います。ラミナテーブルを用いており、上から送風、下から排気され、切り出し中でも獣医師はホルマリン蒸気を吸入することなく快適に作業が出来るようになっています。
(9)MWティシュープロセッサー
マイクロウエーブの効果と特殊試薬を用いることにより、薬液を組織に急速に浸透させる装置です。デイパソロジー(迅速診断)に大きく貢献している装置です。