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第91回 イヌの皮下肥満細胞腫 特性評価と予後指標



イヌの皮下肥満細胞腫 特性評価と予後指標
Veterinary Pathology 2011

イヌの皮膚肥満細胞腫瘍(MCTS)のための組織学的グレードシステムは、皮下のMCTのために開発されたものではない。それにもかかわらず、皮下MCTは現在グレードII以上として多くの病理医によって分類されています。この調査の目的は、より正確な予後を提供するために、皮下のMCTのための病理学および臨床転帰を評価することである。

●306例の犬の臨床転帰に関する情報は獣医師から入手し、組織学的特徴と相関していた。フォローアップの平均値と中央値は、それぞれ842及び891日であった(3-2305日の範囲)。

●27例(9%)だけが肥満細胞に関連した死亡であった。
171(56%)例が不完全切除であったにもかかわらず、局所再発は24例(8%)、転移は13例(4%)のみであった。

●生存率
6ヶ月・・・・95%
1年・・・・93%
2年・・・・92%
5年・・・・86%
(死亡または安楽死された理由は局所再発、遠隔転移、新病変の形成のためであった)

●分裂指数、浸潤性増殖パターン、および多核細胞の存在が、生存期間の減少と相関していた。

●分裂指数が生存率、局所再発、転移に相関していた。
死亡(27例)
核分裂指数5以上・・・・15例
核分裂指数1−4・・・・8例
核分裂指数0・・・・4例

局所再発(24例)
核分裂指数5以上・・・・12例
核分裂指数1−4・・・・8例
核分裂指数0・・・・4例

転移(12例)
核分裂指数5以上・・・・7例
核分裂指数1−4・・・・3例
核分裂指数0・・・・2例

●今回の研究の結果は、皮下MCTの大半は長い生存期間を有し、再発や転移の可能性が低いことを示している。

パソラボより
例えば皮膚肥満細胞腫のパトニックの分類ですが、これはいくつもの組織所見によってグレード分類をするものです。その所見の一つとして、グレードIは真皮に限局しているという記載があります。つまり真皮と皮下にまたがっている症例では、この所見を重要視した場合、グレードII以上になります。しかしながら、グレードIとして記載されているいくつもの組織所見のうち、一つでも外れた症例をグレードII以上にした場合、グレードIに分類される症例はかなり少なくなるはずです。もともと総合判断であるはずのグレード分類に関し、一つの組織所見に固執する内容が話されるになり、がん研究会などでもそうであったようです。そのためある時期にはグレード分類が間違っているのではないかというお問い合わせをいくつも頂いたことがありますが、上記が弊社における回答になります。
私個人としましては、深い部位に発生したことを根拠として高いグレードで診断することには強い違和感を感じます。もしろ核分裂指数、細胞密度、N/C比などが予後にある程度相関していることを感覚的に感じています。
今回の報告では「イヌの皮膚肥満細胞腫瘍(MCTS)のための組織学的グレードシステムは、皮下のMCTのために開発されたものではない。」となっていますが、用いてはいけないということではないと私は理解しています(用い方を誤るとおかしくなります)。しかしながら今回の報告で、既存の分類の欠点がはっきりとし、また皮下の肥満細胞腫の挙動がより明らかになったことは大きな進歩ではないでしょうか。

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