第86回 イヌのリンパ腫と肥満細胞腫のステージ分類のための骨髄吸引の評価
イヌのリンパ腫と肥満細胞腫のステージ分類のための骨髄吸引の評価
Veterinary and Comparative Oncology 2012
目的
この研究では、イヌのリンパ腫と肥満細胞腫のステージングのために複数のサイトから得られた骨髄穿刺(BMAS)の有用性を評価した。
40例の犬(LSA 24例、MCT 16例)が調べられたが、骨髄吸引を2カ所から行っていたものは、33例(82.5%)のみであった。
2カ所から骨髄吸引された症例として該当したリンパ腫の症例は19匹であった。そのうち6(31.6%)において骨髄に腫瘍細胞が確認された。腫瘍細胞は、これらの犬のすべてにおいて、2カ所の骨髄の両者に存在していた。
該当する肥満細胞腫は14例であった。そのうち3例(21.4%)の骨髄に腫瘍細胞が確認された。2例では2カ所の骨髄に、1例では1カ所の骨髄に腫瘍細胞が確認された。
以上の結果からイヌのリンパ腫においては、正確なステージ分類のために、複数カ所からの骨髄吸引は必要ないかもしれない。
イヌの高グレード肥満細胞腫の骨髄浸潤パターンを評価するより多くの研究が望まれる。
パソラボ
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