第179回 パソラボにおけるイヌ肥満細胞腫のc-kit変異検査について
パソラボにおけるイヌ肥満細胞腫のc-kit変異検査について
2013年9月〜2016年10月に弊社で肥満細胞腫と診断されたイヌで、PCR検査を実施した136例の結果と、その内訳の報告です。
・陽性率(PCR検査でc-kit変異が検出された)は約21%
・High gradeでは約半数が陽性(46.5%)
・Patnaik grade II-III or III では約半数が陽性
・グレードの低い症例でも少数の陽性例があった。
→Low grade 6例、Patnaik I or I-II 2例はPCR(+)
<症例>
136例
皮膚(皮下)腫瘤・・・130例(塗抹のみ、標本作製のみも含む)
皮膚以外・・・ 6例 (腸管、リンパ節、脾臓、歯肉、乳腺)
※ 皮膚以外の症例についてはKiupel、Patnaikの評価をしない。
<結果>
PCR(+)・・・ 29例/136 (21.3%)
PCR(−)・・・107例/136 (78.7%)
<内訳>
Kiupelの分類では
High grade 41例
PCR(+)・・・19例/41 (46.3%)
PCR(−)・・・22例/41 (53.7%)
Low grade ・・・85例
PCR(+)・・・6例/85 (7.1%)
PCR(−)・・・79例/85 (92.9%)
Patnaikのグレード分類では
グレードI 29例
PCR(+)1例(3.4%)
PCR (−)28例(96.6%)
グレード I – II 28例
PCR(+)1例、(3.6%)
PCR(−)27例(96.4%)
グレード II 29例
PCR(+)6例(20.7%)
PCR (−)23例(79.3%)
グレード II – III 15例
PCR(+)4例(26.7%)
PCR(−)11例(73.3%)
グレード III 24例
PCR(+)13例(54.2%)
PCR (−)11例(45.8%)
PCR(+)の症例で変位を認めた領域
Exon11・・・22例
Exon 8・・・5例
Exon 9・・・2例
以上です。
パソラボ
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