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第171回 イヌの陰嚢に発生した腫瘍性病変192例について



イヌの陰嚢に発生した腫瘍性病変192例について

第158回パソラボ情報にてご紹介しました、「イヌの陰嚢に発生した腫瘍について」の報告を参考に弊社における発生状況を調査しました。

症例は、直近10年間(2005年1月〜2014年12月)に陰嚢腫瘍と診断されたイヌ192例(非腫瘍性病変および炎症性病変は除外)です。



1)肥満細胞腫 129例(67.2%)

調査報告と同様に、肥満細胞腫の発生が最も多く、全体の67.2%(129例)を占めました。同期間に皮膚肥満細胞腫と診断された5057例の2.6%を占めています。グレード別評価では、高グレードのものが有意に多く発生していました(図1、図2)。

 犬種別ではフレンチブルドッグ20例、ラブラドールレトリバー13例、柴8例、パグ5例、ビーグルおよびミニチュアダックスフンド各4例、ゴールデンレトリバー3例の順に発生が認められました。特にフレンチブルドッグでは飼育頭数に比して発生が多い印象を受け、また同犬種、同期間に診断された全皮膚肥満細胞腫(156例)の12.8%を占めていました。

 また、特筆すべきこととして、 陰嚢の肥満細胞腫は精巣腫瘍として(精巣腫瘍と間違われて)検査依頼をされることが少なくありません。



2)その他の腫瘍 

 調査期間中では、肥満細胞腫の次に血管系腫瘍が多く認められ、黒色腫の発生も認められました。

(1)血管系腫瘍 30例(15.6%)

血管過誤腫が7例(3.6%)、血管腫が10例(5.2%)、血管肉腫が13例(6.8%)でした。

 (2)黒色腫 12例(6.3%)

良性黒色腫が6例(3.1%)、悪性黒色腫が6例(3.1%)でした。

 


調査期間;2005年1月〜2014年12月(10年間)



図1;陰嚢に発生した肥満細胞腫 

症例数(合計)
グレード分類
頭数
割合

129例(2.6%)
グレード1
13
10.1%

グレード12
29
22.5%

グレード2
29
22.5%

グレード23
23
17.8%

グレード3
35
27.1%




図2;同調査期間中の全皮膚肥満細胞腫の発生状況

症例数(合計)
グレード分類
頭数
割合

5057例
グレード1
1816
35.9%

グレード12
1227
24.3%

グレード2
820
16.2%

グレード23
466
9.2%

グレード3
728
14.4%


※第118回パソラボ情報による統計結果と多少のずれがありますが、調査期間および調査母数等の差によるものと考えられます。


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