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第168回 外科的切除を実施したイヌの口腔内線維肉腫の転帰



外科的切除を実施したイヌの口腔内線維肉腫の転帰
Veterinary and Comparative Oncology 2011



検査期間;1997-2008年

■結果
・症例数;29例(避妊雌15例、去勢雄9例、未去勢雄5例)
・品種;雑種(7例)、ゴールデンレトリーバー(ゴールデンレトリーバーとの雑種を含む)(10例)、その他(12例)
・年齢;平均9.4才(4.6-16.1才)
・体重;平均30.7Kg(4.8-44.3kg)
・発生部位;第2-3前臼歯間で前後を区別
下顎先端…5例
下顎後端…11例
上顎先端…6例
上顎後端…7例

・病期;WHOのTMN分類による
ステージ?T…10例
ステージ?U…11例
ステージ?V…8例

・骨への浸潤(CTもしくはX線検査による)…23例

・治療
外科的切除単独…21例
外科的切除+放射線療法…8例

・切除結果;
完全切除…15例
不完全切除(マージン部に腫瘍細胞を認める)…11例
不明…3例

・外科合併症
口腔鼻腔ろう…3例
術部離解…3例
下顎横滑り…2例
出血…1例
誤嚥性肺炎…1例
感染症…1例
縫合糸反応…1例
食道炎…1例
柔らかい食物をくわえることが困難…1例

■治療に対する反応
局所再発…7例(再発までの期間;中央値282日)

転移…7例(転移までの期間;中央値282日)
転移部位;付属リンパ節の(3例)、肺のみ(3例)、付属リンパ及び肺(1例)

無増悪生存期間(中央値653日)
1年生存率…71.9%
2年生存率…50.3%

品種により差は認められなかった。

全生存期間(中央値743日)
1年生存率…87.7%
2年生存率…57.8%

■考察
・局所再発した7例のうち5例は外科的切除が不完全であった。
・外科的切除単独と外科的切除+放射線療法とでは生存期間に差は認められなかったが、
放射線療法を実施した個体のグレードや、不完全切除であったことなどを考慮すると
放射線療法が有効でないとはいえない。
・外科的切除が完全なものと不完全なものでは生存期間に差は認められなかった。
・転移が認められた症例では生存期間は有意に短かった。
・組織学的に低グレードであっても生物学的な挙動は高グレードになることが多い。

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