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第166回 イヌの指に発生する扁平上皮癌について



イヌの指に発生する扁平上皮癌について
Vet Pathol.2013


イヌの指部に発生する悪性腫瘍のうち、最も多いものは扁平上皮癌であり、47.4%という報告がある。この研究はイヌの指に生じた扁平上皮癌154例(49例の追跡調査)について分析したものである。

症例;イヌ154例
  性別…メス69(避妊メス33、未避妊35、不明1)、オス80(去勢6、未去勢71、不明3)
  年齢…平均10.2歳
  品種…ロットワイラー、シュナウザー、ボースロン、ブリアード、ミニチュアプードル他
       75.2%が大型もしくは超大型犬、16.8%小型犬
  発生部位…前肢66.9%(97/145)、後肢33.1%(48/145)、左右差、指による差なし
       13/154例は複数の腫瘍が認められた
  被毛の色…93.8%(121例)が暗色の被毛、3.9%(5例)は明るい毛色、トライカラー2例、白黒1例、不明41例

追跡調査した49例
  死亡61.2%(30例)、生存36.7%(18例)、1例は術後13カ月まで生存
  死亡例のうち20%(6例)は腫瘍により死亡;2例は新病変形成のため、4例は転移のため安楽死
  剖検は実施されていない。転移による安楽死は術後1年以内。
  初回手術とは異なる指に新しい腫瘍が形成された症例…22.4%(11/49例)

爪下上皮由来の扁平上皮癌と証明された症例は14例であり、それ以外は連続性を確認されていない。
6例でリンパ管内に腫瘍細胞が認められた。


結果
・指の扁平上皮癌は黒色の被毛を持つ大型犬に多く発生すると言われている。この調査では症例の75%が大型犬もしくは超大型犬であり、犬種ではロットワイラーやシュナウザー(おそらくスタンダード・シュナウザー)が最も多く、ボースロンとブリアードも多かった。
・94%が暗色の被毛を有していた(黒、灰、黒&タン)。小型犬でも暗色の被毛の症例が多かった。(ただし爪の色は不明)
・前肢の指の方が、後肢より2倍多い発生が見られた。
・リンパ管内浸潤の認められた6例中4例は、診断から1年以内に腫瘍に関連した原因で死亡している。
・22.4%で初回手術の後に新たな腫瘍が発生しており、多くは1ヶ月以内に形成されていた。
・扁平上皮癌の組織学的グレード分類と、予後との関連は認められなかった。
・品種と被毛の色に関連した遺伝的素因が、腫瘍の発生に関連している可能性はあるが、今後の研究が必要である。


パソラボから

弊社のデータでは、指の扁平上皮癌は爪下扁平上皮癌が最も多く、爪下上皮以外に由来するものは少数です。犬種はラブラドールレトリバーやフラットコーテッドレトリバーが多い印象がありますが、ミニチュアダックスやビーグル、シーズーなどにも発生が見られています。
この論文では154例のうち、爪下上皮由来と確認できた症例は14例でした。フランスのデータをもとにしているため、飼育されている大型犬の割合や犬種の傾向が日本とは異なっています。また遺伝など他に加味すべき要素もあるのかも知れません。

パソラボ

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